災害時、スマホはつながらない|その理由と、いま私たちにできる通信対策とは?
災害時、スマホはつながらない
その理由と、いま私たちにできる通信対策とは?
スマホが災害時につながらない原因とは?
- アクセス集中(輻輳 ※ふくそう)による通信制限
- 基地局が停電し、非常用バッテリー切れで機能停止
- 物理断線:ケーブル切断や設備破損
スマホは便利ですが、災害時にもっともつながりにくくなる通信手段です。
※インターネット回線や電話回線にアクセスが集中すること。
輻輳(ふくそう 英:ongestion)が発生すると、通信速度が低下し、通信システムそのものがダウンなどの弊害が生じます。
輻とは、車輪の中心部から輪に向かって放射状に出ている棒、スポーク。
輳とは、車の輻(や)が轂(こしき)に集まる、つまり、ものが一か所に集まる、混み合うという意味です。
実は「光回線」は災害に強い
- 光ファイバーは地中・配管内設置のため、地震や風雨に強い。
- 通信会社の局舎は冗長構成(※ じょうちょうこうせい)や非常用電源を備えており停止しにくい。
- 「使えない」とされる主な原因は事務所や家庭側の※ONUや※ルーターが停電で動かないため。
つまり、ONUやルーターに電源を供給できれば、光回線は災害時にも使える可能性が高いのです。
※冗長構成(じょうちょうこうせい)
システムや機器に障害が発生した場合に備えて、予備のシステムや機器を配置し、運用を継続できるようにする構成のこと。
これにより、一部に障害が発生しても、システム全体が停止することなく、システム全体の可用性(使いやすさ)を高めることができます。
※光ネットワークユニット(ONU:Optical Network Unit)
ONUは、インターネットサービスプロバイダ(ISP)の光ファイバーネットワークに接続する装置です。 光信号を電気信号に変換し、家庭やオフィスの他のネットワーク機器で使用できます。
※ルーター
ルーターは、インターネット接続をネットワーク内のさまざまなデバイスに分配する役割を果たします。 通常、ONUに接続し、インターネットへの有線および無線アクセスを提供します。
※無停電電源装置(UPS)
UPSは、停電時にネットワークデバイスにバックアップ電力を供給します。 主電源が故障した場合でも、インターネット接続がアクティブな状態を維持できるようにします。
光回線とUPSの接続イメージ
UPS(非常用電源)を使用すれば、停電時でもWi-Fiが利用可能になります。
- UPS → ONU → Wi-Fiルーター → スマホやPC
- UPSは複数出力で機器同時給電が可能
モバイルバッテリーでは不十分?
リチウムイオンバッテリーは発火・爆発のリスクがあり、災害時の常備電源としては不向きです。
(参考:東京都消防庁:リチウムイオン電池搭載製品の出火危険)
安全性を重視するなら、AGMバッテリー搭載UPSが安心です。
AGMバッテリー搭載UPSとは?
・医療・福祉施設、金融機関や基地局向けに開発された信頼性の高い電源
・災害時にもルーター・ONUに給電可能
・停電でも光回線通信を継続可能
通信が止まったとき、どうする?
- 災害伝言ダイヤル(171)の活用
- ラジオ、行政の防災無線の受信
- 災害時専用Wi-Fi(00000JAPAN)の開放に注目
UPSで自宅ルーターを稼働させられれば、光回線によるSNS・連絡・情報収集が可能です。
過去の災害と通信障害例
年月日 | 災害名 | 障害の内容 | 原因 | 復旧時間 |
---|---|---|---|---|
2024/01/01 | 能登半島地震 | 基地局停止・輻輳 | 停電・回線混雑 | 48時間以上 |
2011/03/11 | 東日本大震災 | 全域通信障害 | 停電・回線混雑 | 7日間 |
2018/09/06 | 北海道胆振東部地震 | 基地局停止 | ブラックアウト | 24時間以上 |
調査:災害時に求める通信
NURO光の調査によると、災害経験者は「人とのつながり」、未経験者は「情報の入手」を重視する傾向が判明
インターネットにつながない6時間が被災者を救う(出典:PR TIMES)。
どちらにも対応できるのが、UPS+光回線による安定した通信手段です。
災害時の「通信の命綱」を、今こそ備える。
光回線が「使えない」と思い込んでいる人が多い今だからこそ、
正しい理解と、確かな備えを。
【導入事例・技術情報バックナンバー】
https://www.ieee802.co.jp/whitepaper
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